株式会社 ケーヤード

造船気質


第二十三 魁丸

2011年11月25日、 三陸の定置漁業の専務と網商社さん、 柏崎造船社長と私で
日程組んで見に行くことに。 ものの見事に大雪でした。 何とか船主様の
好意で走らずに負荷テストしてみたり、 走る以外のすべてを説明して頂き
ました。 先駆者=いい人。 遠方からわざわざ来られたのでよかった。



8.5GT、 アルミなら楽に20ノットオーバーだと言っていました。
微妙な喫水・トリムが味噌なんだろうなっと改めて実感する。



家でやってた小馬力ジェットスラスターなんて話にならない
推力。 高速でなく高推力だから。 難しいでしょ、 これ。



まだまだ全速じゃないですが、 船を止めていると馬力
なみの迫力。 本当の反力推力は走らないとわからない。
この静かさは、 軸系がシンプルだから。 すべて伝達に力が
行っているって言うこと。



たかが定置船ですよね、 小泉船主さんはすごい要チェック人物様です。
私にとって、 まさかトラクタージェット(TWJ)で先を越されるとは。 思いも
よらなかった。 油断していました。 石垣も不意打ち挑戦だな、 いい意味で
話は話、案は案、 なんでも実行した者が勝ちです、 認めます。 私はただただ
信念が足らなかったから沙留の小泉さんに先を越されました、 2隻目が。
どこかでできるはず、 このお人に感謝しなければものになりませんよ・・

はっきり言って、 これは物になります、 振動無い・静か、 推力も安定している
定置船の柏崎造船さんも、いいかも、 これからを感じるとか言ってたな。
何でも最初にやる人は苦労・心労の連続だし、 後に続く船主様のためにも
安易な思考で失敗だけは止めてもらいたい、 高速WJの歴史もそうでしたから。

このTWJの漁船普及は間違いないでしょう。 自分は時代が早すぎるのか
なんか、 思いすぎて飽きちゃってる。 実現のギャップは自分自身はない
と思いますが、 顧客一般に一生懸命説明してまで使っていただくものでは
ないと思ってる、 ここらが少し引っかかるとこなんですが。 用は使う者が
勉強し、 品定めするのが基本です、 造船技術屋は確実に特性を
理解し船として完成させる事
に専念するだけの話。

冒険・先駆は疲れ果てます、 体力の無い人は精神的に強くても生半可じゃないから
やめたほうがいい、 賢い人は人のやったことをハイエナのようにタイミングを計る。
なんせ、 遣り甲斐より先に体が参る。 下手な行動より最高な船主さんにめぐり合う
ことが最重要、 共同作業だからね。 大金も大時間も伴うことだし、 体をどこまで
鍛えればいいのだ。 しかし、 自分からこれ取ったら自分じゃなくなるんだろな。




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