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(2)船型と設計要素
近海かつお大型船(119トン・150トン)の燃料消費量は年間の燃油支払
額で1〜1.2億。本船は大型船と同じ操業をして半分の6千万を目標。
乗組員7名減・短期操業の効率化に伴う高単価化も見込んで
水揚げ量減少分を補い、終漁時には十分な利益を確保できること
と低船価(150トンは約2倍の船価)で、"これからの鰹船のスタンダード"
となり得るコンセプトが本船初期の設計概要の始まりであった。
本船の船型線図の狙い・確信については自社実績船19トン
・29トンの
サンマ棒受け網漁船5隻(47トンサンマ積載と15kt船までの進化)の
開発実績があり(毎船毎船、線図修正し本物で水槽実験してました。
一応皆制度の船でしたので"自航要素計測""波浪平面水槽実験"
行ったりした)、本船80トン船ならその少し大きい感覚で水槽計測し
同概念船で設計は終えましたが、難題は大型船に比べ小容積の
機関室(主機関以外は冷凍機2も発電機関2もポンプ数もサイズ
も大型船と同じ能力と数の機器を納めなければならない)のサイズ
とJGルール。 そこらはシーチェスト配置とか3D検討で詰め込んだ。
当然満載状態で排水量150トン超えてくるので推進関係は大き目の
減速比4.48で大口径プロペラとセオリ-通り。後は船頭さんに積付け
順番説明・移動航行時の省エネ運転とか、細かなこともお願いしたり。
船速に関わる船型のポイント5は、中央部から船尾にフローする
船底・シャフト傾斜・スケグ形状・幅のある船首バルブの
リファインだけ。良好なら余禄も・・ 特記は大きく横揺れしない。
急旋回時・斜め追い波等の大傾斜にならない要素も船型に練り
こんで研究してきた成果もこのクラス船にも適応できてました。
操業中の現在ですが船主とのギャランティ(満載帰港速力 出力75%
平均13.5kt)状態でブリッチ内の排気温度メーターでの温度が
500度(低い)との報告でして、約700psで走っています。余力を
十分を残し、終漁までにいい報告が聞けると期待して居ります。
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