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横転事故に関するお知らせ

お客様ならびに関係者 各位

急啓 8月9日水曜日、弊社にて第二大師丸上架中横転事故を起こし船主様の大切な船舶に大きな被害をもたらし、また乗組員様を負傷させてしまいましたこと痛恨の極みであり深くお詫び申し上げます。また、地域や関係する皆様にも多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと心よりお詫び申し上げますとともに負傷した乗組員様におかれましては1日も早い回復をお祈り申し上げます。

事故の詳細については、以下のとおりです。
1) (午前9時32分頃)シップリフト上架完了、牽引移動中に木が割れるような音が聞こえた(キール盤木上の木材圧縮し破損した際の発生音と思われる)
2) 複数箇所の木材(高さ15cm)完全圧損の後、一部船体センターキールがキール盤木接触変形、その後キール盤木も変形
3) 木材圧損、キール盤木変形後、船体が下方移動し設計上の腹盤木と船体接触位置にズレが発生した
4) 重心位置が左側に位置していたことで左舷側鋼製盤木No.2、3に外向きの荷重が掛かった
5) 偏荷重しても船体の垂直荷重を腹盤木設置の木材や砂袋が変形し荷重を受け止め許容する思想だが、左舷側鋼製盤木No.2、3設置位置の船底勾配強く、荷重ベクトルが横方向(左舷側)に向かった
6) (午前9時33分27秒)プラットフォームとシップリフト桟橋境界付近で腹盤木と横引き台車を締結ボルトが、横方向荷重によるモーメント荷重により破断したと思われる金属音が聞こえる
7) (午前9時33分28秒)左舷側No.2、3腹盤木が左舷側移動確認、それによりさらに左舷側へ重心移動
8) (9時33分29秒)No2、3盤木が外れ横転開始し33分37秒完全に横転した

この事故の原因を厳正に分析し、今後同様の事故を防ぐために以下の措置を講じます。
a. 腹盤木転倒対策 – 腹盤木船側側にサポート設置、横行台車上に固定

b. キール盤木上設置木材割れ対策 – 圧縮強度の強い木材に材質変更と木材使用頻度・期間などの履歴管理
c. キール盤木上設置木材割れ対策 – 上面に鋼製保護板設置
d. 上架中の局所荷重・偏荷重対策 – シップリフト上で木矢打ち込み
e. 腹盤木の倒れ対策 – キール盤木・腹盤木全体の高さを低くする検討
f. 倒れ対策 – 船底勾配の強い船舶や特殊船型船舶はシップリフト上昇停止後に丸太や倒れ予防具相当を設置
g. 腹盤木の倒れ対策 - 腹盤木とキール盤木の連結

本事故を未然に防ぐことができず船主様ならびに負傷した関係者に対して誠心誠意の謝罪を行いますとともに、このような事故の再発を防ぐための積極的な取り組みに全力を尽くす所存です。
ご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び致すとともにご報告申し上げます。

2023年9月
株式会社みらい造船
代表取締役社長 木戸浦健歓